【長台詞】紅蓮の華・四。【女声向け】
- お題投稿者:
Gaia- 投稿日時:
- 2008-11-20 16:02
- コメント
- めっちゃ寒いぃぃぃぃぃぃ!Gaiaです。どーも。
このお題はシリーズ物の第4章・完結編にあたります。
「ある女性の独白」です。時代設定は明治、大正辺り。
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今宵は肌寒うございますわね。
またお会い出来ると思っておりましたわ。
ええ、あの話の続きを、すっかりお話致しましょう。
吉原で、私が禿としてお付きしておりました姐様は、
花魁に据えられる程に美しく、賢い姐様でございましたが、
少々気立ての激しい、一本気な方でもございました。
ですから、先だってお話致しました身請けにつきましても、
見世の主人の言うがまま、大人しく落籍されるとは
どうしても思えなかったのでございます。
そして…私の胸騒ぎは現実のものとなりました。
姐様の部屋から、火が出たのでございます。
私も含め、見世の者はようよう逃げ出しまして、
炎が見世を舐め尽す様を呆然と見やっておりました。
その時…ふと振り返り、見てしまったのでございます。
姐様とあの博打打ちが、門に向かって駆けて行くのを。
お二人とも素足のまま、固く手を取り合って…。
紅く燃え盛る炎に照らされた、お二人の後ろ姿は、
さながら、咲き乱れる華のようでございましたよ。
魅せられたように、お二人を見つめておりました。
その姿が闇に溶け、すっかり見えなくなってしまうまでね。
ふと気付くと、私も駆け出しておりました。
足抜けを望んでの事ではございません。
あのお二人に引き寄せられるように、
何も考えぬまま、後を追うように駆けていたのです。
幸い、見咎められる事もなく、結果と致しましては、
私自身も足抜けする事が出来たという次第にございます。
あの後、お二人がどうなったのか…私も存じません。
火事と喧嘩は江戸の華、と言われておりましたが、
火付けは重罪。火炙りの刑と決まっておりましたし、
あの炎から逃げ切れずに焼け死んだ方もいらっしゃった筈。
恋とは…人を美しくも、恐ろしくもするのですね。
私は…おそらく一生、忘れる事はないでしょう。
嬉々とした、狂気すら感じさせられた、あの後ろ姿。
地獄の際に狂い咲いたような、紅蓮の華を…。
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