【シャピエ作短編】『春が立つ』朗読5/6
- お題投稿者:
シャピエ- 投稿日時:
- 2008-05-02 22:22
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- 今少女のいる石も少し傾いていて、てっぺんにもその分傾斜がある。少女は低くなっている方を向いて、胡坐をかいて座った。
右の手首に、一輪の小さな花が触れた。その小さな黄色い花は、石の割れ目から細い首を伸ばし、風に身を震わせている。ときどき思い出したように突風が吹き、少女の白い服をはためかせる。
少女は遠くを眺めた。自分のいる石の前にたたずむ石、そのまた前の石、そのまた前の石たちを視界に感じながら、緑の混ざった灰色の塊と群青の空とが接するあたりを眺めた。
ひときわ強い風が、少女を打った。
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