【シャピエ作短編】『春が立つ』朗読6/6
- お題投稿者:
シャピエ- 投稿日時:
- 2008-05-05 16:00
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- 座っている石がわずかに揺れるのを、脚の下で感じる。
流されてきた黒い雲の塊に、太陽が隠れ、突然あたりが暗くなった。
石と石との間を風が駆け抜け、低い唸りを響かせる。
唸りの波が、少女の背中の後ろの方へ流れていって、消えた。
灰色の濃くなった石の群れが、静まり返った。
少女の視界に、光るものが現れた。
少し離れた石たちの間から、石と同じくらいの太さの光が、地面からゆっくりと伸び上がってくる。巨大な光の木が生えてきたかのようだ。
今度はまた違う場所から、すうっと光の木が立ち上がる。また一つ。また一つ。
光の木は、薄墨色の天に向かい、真っ直ぐに伸びていく。
何本も。何本も。
少女は、手首をくすぐる花の感覚を確かめながら、光の森を眺めた。
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